熊本 阿蘇神社の楼門の倒壊!
高野山 奥の院参道杉木立の墓所への倒木!
を以前目の当たりにしてショックを受けましたが、
地元の大宮氷川参道のケヤキも、この台風で倒れてしまいました😭
(どこかの鉄柱と違い、民家側に倒れなかったのがせめて。。)
百年千年単位でずっと人間とともにあったものの被害は、何を意味するのでしょう?
それでもなお、真っ青な秋の空☀️を見せる自然と、七五三・お宮参り等の賑わいを受け容れる神社⛩
ココロの不感症にならないよう自省します🙁☺️
熊本城 高野山 奥の院
大宮氷川神社
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1. 樹木は文明の“代謝器官”
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古代メソポタミアでは、泥煉瓦を焼く燃料や灌漑設備の木材確保のために周辺林が減耗し、土壌塩害が加速して都市国家の衰退を招いたとする環境史の分析があります。
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木は燃料・建材のみならず、水循環や土壌形成を介して農業生産を安定させる「代謝器官」でもありました。森林が失われると河川の氾濫・乾燥化が同時に進む――これは近代水文学の知見とも整合します。
2. 文化と信仰に刻まれた「森の倫理」
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プラトン『クリティアス』は、アッティカは昔「樹木の高き国」であったのに、ギリシア人の乱伐で蜂しか住めない痩せ山になったと嘆きます。
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レバノン杉は旧約聖書にも王宮・神殿材として登場しますが、ローマ皇帝ハドリアヌスが 118 年に保護林を指定するなど、古代から保全策が講じられてきました。
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日本の伊勢神宮では20年に一度の式年遷宮用材をまかなうため、1923年から200年計画のヒノキ人工林造成が続けられています。信仰・祭祀がサステナブル林業を制度化した好例です。
3. 破局神話の再検討と学び
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「森を伐り尽くして文明が崩壊した」という典型例とされたイースター島については、2024年の考古・生態学研究が〈島民は湿地農法や植林で資源を維持し、急激なエコサイドは起きていない〉と再評価しています。
教訓: 森林劣化は避けられない運命ではなく、社会制度しだいで抑制できる。
4. 現代の叡智:都市緑化とグローバル課題
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都市の街路樹・緑地はヒートアイランド緩和や精神的健康に顕著な効果をもたらします。2023–24年の疫学研究では、緑豊かな地域に住む人はうつ病リスクが約20%低いと報告されています。
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世界経済フォーラムは年間1000万ha超の森林がなお消失しており、2030年ゼロデフ森林コミットの行動加速を呼びかけています。
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家庭・都市部での植樹は冷房需要を最大30%削減し、1本で年48 kgのCO₂を吸収するとの統計もあります。
木偏の漢字を時間軸に並べると、〈開拓→繁栄→統治→枯渇〉という波が
一本の年輪のように見えてきます。
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森を伐り「新」を起こし、
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木を燃やして「榮」を求め、
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木材を量り「権」を固め、
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資源が尽きて「枯」に至る――。
段階
主要な木偏漢字
字源の要点
文明的含意
開墾・創始
新
「辛(神具の針)」+木+斤(斧)=神木を斧で伐る儀礼から「あたらしい」
森林を切り拓き都市を建てる。開墾=文明の“リセットボタン”。
成長・構築
構・橋・機・業 など
いずれも木+作業道具(手・斤・糸)で「組み上げる・編む」。
木材インフラ(家屋・橋梁・織機)が経済とネットワークを拡大。
繁栄・栄光
榮(栄)
燃え盛る松明2本+木=火の上に木材が供され輝く
エネルギーとしての木の大量消費が、都市の灯を支え繁栄を象徴。
統治・権威
権
木に分銅や斧を吊す秤が原義。「はかる・力を行使する」
木製の秤=標準と徴税のツール。材の統制が政治権力の根拠に。
衰退・枯渇
枯・朽・棄
枯=木+古「古く硬化した木」 。朽=木+丘「土に還る木」。
木材・森林の劣化は農地・河川系の崩壊を招き、文明の凋落を告げる。
樹木は文明の礎であり鏡でもあります。
古代の警告と最新の統計はいずれも、「森林の健全度を測れば、その社会の未来が映る」と語っているようです!!
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