【 ごいざん師匠語録 聴聞記 】5
つまり人間は、
相手のことも知らなければ、
己れのことも知らず、
まして自然宇宙のことなど心にも無い。
自己の先天を知り得て、天分を経験の中で行使し、
事を大成する人物も稀にはいるが、
大概の者は自身の本性、氣を活かし使えていない。
もし、そのことに自ら氣づき反省し、
新たに學びを修めるならば、
忘れたものを想い起こすがごとく、
誰もが天地自然に順っていけるだろう。
野性動植物と違い、本能本性を失ってしまった人間にあるのは、
真の叡智の學び、『學問』することだけである。
それは自己処世の為の損得勘定や、
必要性に追われての方策や術に尽きるのではなく、
世の理(ことわり)や法則を知り、
それを受け入れ覚悟を定め、
与えられた今生を懸命に生き切る、
実践の法に還ることである。
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