#9月29日はクリーニングの日
お盆前に埼玉新聞さんに掲載していた記事ですが、いまだにお客様や同業の方から、見たよ!とお声がけされます。
改めて転載させていただきます❣️
記事を書いていただいた、山田浩美さんには感謝です🙏
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【ドライから水系へ】
クリーニング店「ワガクリーナース」大宮区
さいたま市大宮区のクリーニング店「ワガクリーナース」は、脱ドライクリーニングを掲げ、取扱店が少ない水系クリーニングを手掛ける。
髙田智社長(53)は「水洗いは衣類にも人にも環境にも優しい、持続可能な手法。
誰も不幸にならないエコなクリーニングを目指したい」と業界に新しい潮流を生み出している。(山田浩美)
『持続可能な業界へ変革』
●環境への影響
石油などの有機溶剤を使用したドライクリーニングは、油性の汚れに強く、繊維へのダメージが少ない。
一方で、乾燥時に蒸発した有機溶剤をそのまま外へ排出している店舗や工場も少なくなく、大気汚染の一因となっている。
体への影響や、特に作業者が被る健康被害も指摘されている。
髙田社長は大学時代、農学部で有機農法を研究。環境問題に関心があった。「衣類をきれいにしても環境を汚しては意味がない。そういうものはいつか淘汰される」。
創業者の父から経営を任されるようになった約20年前に水系クリーニングに着手した。
●水洗いの利点
汗や食べこぼしなどの水溶性の汚れには水洗いがてきめんだが、繊維によっては型崩れし、仕上げに手間とコストがかかるため業者には敬遠されてきた。
髙田社長は研究と試行錯誤を重ね、天然由来の液体せっけんに補助剤を配合し使用。仕上げに独自のノウハウを生かし、作業時間やコストも軽減。
有機溶剤の影響がゼロで、乾燥などにかかるCO2も大幅に削減。汚れ落ちもよく爽快な着心地で、常連客には人気だという。
ただ、価格はドライよりまだ割高。「付加価値があっても、高くては普及しない」とさらなる研究に余念がない。
●多様な選択肢
本流ではない取り組みに業界から否定的な声もあるというが、「水洗いは逆に業界の可能性を広げる」と訴える。
建築基準法では、引火性の有機溶剤を使用した操業は工業地のみ。用途地域が明確化された70年代初めごろに商業地や住宅地で既に操業していた業者を例外とした一方、操業継続には設備の拡充や変更に難しい条件が付けられた。
「今の設備や機械が壊れたら廃業しかない」と不安を漏らす同業仲間は多いという。
「水洗いに転換できれば営業を継続でき、町からクリーニング店が消えることはない。適正なドライクリーニング店も含め店舗が多様になれば、消費者の選択肢も広がる」
SDGs(持続可能な開発目標)に関心が高まるなか、顧客のニーズも増え、水系クリーニングの将来に確信を持つ。
「ゆくゆくは水系クリーニング専門店へシフトさせたい」と未来を見据えている。
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